塗装について

塗装と一言で言っても、塗装の施工の際には沢山の塗料を状況に応じて使い分けたり様々な下地調整などの作業をしたりといった多種多様な要素が含まれます。時には難しそうな単語が出てきたりして「?」となる事も多いでしょう。当社の考える塗装の役割や用語集などをまとめました。ご参考になれば幸いです。

塗り替えにあたって

塗膜を劣化させる因子

塗膜は、外的要因と下地の変化によって劣化して行きます。外的要因では水分(雨水・結露水・水蒸気・氷・雪・浸水、水周りトラブルの際の水)太陽光線(紫外線)熱(輻射/ふくしゃ/熱)不純物(塵埃・砂塵・菌虫等)腐食性気体(亜硫酸ガス・炭酸ガス等)が、下地を変化させる要因では水分・アルカリ分・錆・塩分・エフロレッセンス・ムーブメント等があげられます。

  1. 塗膜の光沢の消失
  2. 塗料が剥がれている
  3. ひび割れが出来ている
  4. 壁の汚れが目立つ
  5. 塗料が変色・褪色してきている
  6. 塗装面が膨れている、サビがういている
  7. 壁を指で擦ると指が白くなる(チョーキング現象又は白亜化といいます)

(もちろん、「雰囲気を変えたい」などはいつでも大丈夫です)

以前の塗装の塗料や方法にもよりますが、大抵10年位でこの現象が出てきます。なにより、定期的に点検をする事により、痛んだ箇所を早期発見してそれに応じたメンテナンスをする事が一番です。メンテナンスの時期の目安を下記に記載しましたので参考にして下さい。

家の外壁 塗装の種類によってメンテナンスの時期が異なる。 リシン(細かい砂が吹き付けられているもの)約3年
吹き付けタイル6〜7年
弾性吹き付けタイル8年
木部 木は気温や湿度など、条件の変化により膨張・収縮を繰り返し、塗装の劣化も早く進行する。塗膜が劣化し、ひび割れを起こせば、水分が侵入し、木部(素地)自体へのダメージとなる。約3年
鉄部塗装の皮膜がひび割れたり剥離すると、そこから水分が侵入し、サビの原因となる。約5年
コンクリート コンクリート面が雨水や空気中の炭酸ガスにより、phが中性に近づく症状を「風化」または「中性化」と言い、コンクリートの強度を下げ、内部の鉄筋がサビる原因になる。また、劣化時期は塗装の種類により異なる。 リシン(細かい砂が吹き付けられているもの) 約5年
吹付けタイル 6〜7年
弾性吹き付けタイル 約8年

上に記載したのは標準的なメンテナンス年数ですが、これは条件によって異なります。

  1. 直射日光を浴びている
  2. 湿気が多い
  3. 雨・雪・台風等が多い
  4. 海のそばで潮風が当たる

などの条件では、耐久年数も短くなります。

また、鉄筋コンクリート造りの外壁で、モルタルのひび割れからさび汁が流れ出ているのは モルタルのひび割れから雨水や空気が内部に浸透し鉄筋に錆が生じたためです。錆が発生すると体積が膨張するため、モルタルを押し上げて浮かせ、それによって大きくなったひびにまた雨水が…と鉄筋の錆も増え、最後にはモルタルの剥離事故につながります。早めに錆防止の対策とヒビの補修をお勧め致します。

塗り替えの目標

業者に相談する前に、しておきたい事があります。それは、明確な完成イメージを描いておくことです。塗り替えによって得たい効果、例えば…

  1. 洋風にイメージチェンジしたい
  2. もっと耐水性をつけたい
  3. 新しい外観にしたい

などです。

機能性を重視する場合は塗料の選択の幅が狭まったり、デザイン性を重視する場合には持ちや耐水性などの機能性が狭まったりと塗料や施工方法によって仕上がりが変わってしまうので、どの面をどれくらい重視するかも具体的にして伝えましょう。また塗料の選択の際も、完成後の色イメージを詳しく説明して、思ったとおりの色合いになるように相談しましょう。このあたりが不確かですと、業者とこちら側の完成イメージがずれてしまい期待していたものとは違う仕上がりになってしまいがちです。

塗り替えの予算

施工面積や内容(建物の構造が複雑等)によって様々な見積もり結果になるものですが、今回塗り替えるにあたっての「完成イメージ」を目標として業者に伝えると、後で正式見積もり内容が変動しなくなります。見積もりを依頼した際には、業者の詳しい工事内容をきちんとチェックして、工事内容があなたの希望と同じであるか詳細を打ち合わせしましょう。見積もり明細をもらえますので、それを元に説明してもらうとわかりやすいと思います。

業者の選び方

遠い所の有名な業者もいいかもしれませんが、まずは近所の塗装業者や左官業者に連絡してみましょう。近所の業者であれば、その一帯で今までの施工事例をチェックできますし、クチコミも聞けます。だから、手抜き工事でもしていた場合はそれらによって具体的に把握出来るからです。遠方の業者だと、施工時・施工後など何か問題があった際に連絡をしても迅速な対応を受けられないかもしれません。また、業者に相談をした際に使う塗料や方法などについて丁寧な説明をしてくれる所をお勧めします。(病院の選び方にも似ている、とよく言われています)

材料(塗料)の選択

塗り替え施工後のイメージが固まり、気に入った業者に相談をしたら次は塗料の選択をする必要があります。(塗る部分の素材や塗替え面の状況により選べる塗材は異なります。)目標イメージを具体的にはっきりと伝えたうえで、そのイメージに一番近く出来る塗料を選びます。選ぶといっても、適合塗材、工法や詳しい塗料の成分などについて調べるのにも限界がありますし実際に塗ってからの仕上がりについてなど、業者の経験からの意見も参考にしましょう。この際には業者としつこいくらい相談をした方が良いと思います。勿論、塗料によって予算の問題も発生しますので、とりあえず業者決定後サンプルをいくつかもらって色や仕上がり具合を見ながら絞り込んでいくのがお勧めです。

施工中の注意

施工の際に、匂いや音などご近所に不都合があるかもしれません。施工日程が決定したら、その旨を事前につたえるためご近所にご挨拶をしておきましょう。また施工中は、大抵足場を設置して塗装します。外壁塗装の場合は、外壁に沿って足場を組むため設置期間中に空き巣や泥棒が入りやすくなっています。戸締りには十分気をつけて下さい。塗装の際に万が一塗料がついてはいけませんので特に大事な物は、移動できる物は極力移動し移動できない物(植木など)は十分に業者に説明しましょう。施工がスムーズに行くためにも、敷地内に物が多い場合は掃除をしておいた方がいいかもしれません。

メンテナンス・アフターサービス

塗り替え施工後も、何が起きるかわかりません。不都合が生じたり何か発生した場合にアフターサービスで面倒を見てくれたりメンテナンスの方法を教えてくれるよう業者に聞いておきましょう。建物を長い間美しく健全に保ち続けるには日ごろのケアや適切なメンテナンスの必要があります。弊社では、施工後もお客様に満足して頂けるよう、アフターサービスやメンテナンスに関する様々なご相談にお答えしています。何か気になる事がございましたら、是非お気軽にお問い合わせ下さい。