塗装について

塗装と一言で言っても、塗装の施工の際には沢山の塗料を状況に応じて使い分けたり様々な下地調整などの作業をしたりといった多種多様な要素が含まれます。時には難しそうな単語が出てきたりして「?」となる事も多いでしょう。当社の考える塗装の役割や用語集などをまとめました。ご参考になれば幸いです。

塗り替え施工Q&A

塗り替え施工についてよくあるご質問をまとめました。

塗装の工期はどれくらいかかりますか?

大まかな流れは作業工程で紹介していますが、調査・見積もり後の全日程は目安として大体2週間必要です。また、下記の手順は外壁塗装の場合ですので、内装塗装や特殊例では施設(風呂等)利用などの都合から更に日数がかかる場合があります。

準備ご近所への工事説明・ご挨拶、足場組立、飛散防止シートの設置約1日
不良箇所の補修剥がれたり不具合のある塗料を剥がす(ケレン)作業約1日
外壁の高圧洗浄高圧洗浄機を使用して苔や埃など、長年蓄積された汚れを洗い流す約1日
洗浄後の乾燥洗浄で使用した水分を十分に乾燥させる約1日
下地補修・養生下地のヒビなどの補修・サビ止め・コーキング剤の打ち直し・段差の修正をした後にビニールシートを用いて塗装しない部分をマスキング(養生)する約1〜2日
塗装作業鉄部にはサビ止めを、木部には防水コーティングなどを施した上で、塗料の持続性や密着性を上げる微弾性フィラーを塗布(この際サビた金具などを新しいものに交換する場合もある)。下塗りをクラック(ヒビ)の度合いに応じて施した後、中塗りをし、上塗りを2回施す。約3〜4日
点検塗り残し、塗りムラ、不具合を確認し、適宜修正や手直しをする。約1日
塗装後の処理養生シートと飛散防止シートの除去。作業場の清掃。ご近所への挨拶。約1日
何故高圧洗浄が必要なのですか?

機材を使わない清掃では、ある程度の汚れしか取ることが出来ません。場合によっては、洗浄に用いた洗剤などの成分が残ってしまう事もあります。また、折角塗膜を作っても塗膜と塗装面との間に不純物(塵・汚れ等)が入っていると、そこから劣化が始まってしまいます。人間の手だけでは落としきれない、長年蓄積され続けた汚れを高圧洗浄でキレイに洗い流す事も、塗膜の長持ちの秘訣です。

雨が降ったら、又洗浄しなおさなければならないのではないですか?

雨や雪が降っても、洗浄後3週間程度は大丈夫です。新たな汚れの付着も考えられますが、塗装に影響を及ぼす事はないと思います。もし雪が降った場合、そのままにして置きますと溶けない事もありますので雪がやみしだい雪下ろし作業を行います。

何故下地を塗るのですか?

下地には上塗材を塗る際に必要な「接着剤」のような役目があります。そのため上塗材の食いつきを良くし、持ちや仕上がりにも良い効果を発揮するからです。化粧下地と同じように表面をつややかにしたり、色ムラを無くす効果もあります。また、当社が下地に使用する「微弾性フィラー」という塗材は乾燥後も適度な弾性を維持するため、建物の揺れ等によるひび割れなどにも追随性を発揮します。

何故二度塗りが必要なのですか?

1度塗りだけではムラが出来てしまったり、充分な厚みの塗膜を作る事は出来ません。2度塗りを行う事によって、強靭で美しい塗膜を手に入れることが出来るのです。

下塗り材と上塗り材の違いは何ですか?

下塗り材には、現在塗工されている塗膜・モルタル等の補強といった役割、上塗り材と下地をより強く密着させるための接着剤のような役割があります。上塗り材には色や風合いを美しくする為のデザイン的役割、下塗り材や下地、塗装面を水分や紫外線・炭酸ガスなどから守る役割があります。特に外装の場合はこのどちらもが塗装には必要不可欠な事項ですので、これらの特徴を生かしつつ、両方を使用して塗工します。

塗料の臭いは人体に影響を及ぼしませんか?

水性塗料を使用する事によって、気分が悪くなる等の影響を防止出来ます。溶剤塗料を使用する場合も、養生をきちんと行えば室内への臭気侵入を防止出来ます。この際にはエアコンや換気扇の使用や窓を開ける行為を制限させて頂く場合があります。

施工中は在宅していなければいけませんか?

基本的に内装工事の際は、在宅時に施工させて頂きます。屋外の工事の際は、戸締りだけきちんとしていただければ外出に関する制限はありません。

洗濯は干せますか?

塗料が乾くまでの間は、塗料の付着を防止するため洗濯物は塗装を行っていない部屋で干して下さい。また洗濯機は、その周辺を塗装する間は使用できません。

工期中に部屋を使ったりお風呂に入れますか?

問題ありませんが、その周辺の塗装を行う場合には利用時間を制限させて頂く場合があります。

騒音でご近所迷惑になりませんか?

下地補修等の際に電動工具を使用する場合は騒音が発生します。事前に工事の日程はご近所に説明させて頂きます。また、外装工事は基本的に暗くなるまでの時間が作業時間となりますので深夜に騒音を出す等の心配はありません。

塗料の臭いでご近所迷惑になりませんか?

周辺環境に学校・病院・育児施設などの注意が必要な施設がある場合は塗料は水性塗料を選択して頂きます。また、事前に工事の日程はご近所に説明させて頂きます。

塗料が飛んだりしてご近所迷惑になりませんか?

塗装工法は主に飛散の少ないローラー塗りや刷毛塗りです。また、飛散防止ネットでの養生も行います。飛散防止の面から、強風の日には施工しない場合があります。

保管する塗装材は危険ではありませんか?

シンナーや溶剤などの危険物指定された塗装材は、こちらで責任を持って管理致します。現場に保管する場合は、危険性のない非危険物(水性塗料など)に限定しております。

溶剤の使用などでは火災の危険性はありませんか?

塗装中は火気厳禁としております。また、危険物である溶剤の管理はこちらで責任を持って行います。

植え込みや花壇に塗料がかかったりしませんか?

少量であれば溶剤などがかかっても枯れることはありませんが、しっかりと養生をします。また、どうしても心配だと思った時は、大切な物は移動可能でしたら移動して頂く事をおすすめします。移動できない物に関しては、更に注意深く養生いたしますので一言ご説明下さい。

ビルの屋上のコンクリートにペンキを塗るのは可能ですか?

もちろん可能です。むしろ、コンクリートを打ったままではコンクリートの隙間から染み入った水分等が内部へのダメージとなります。雨や直射日光の影響を一番受けやすい部位ですから、しっかりと防水・耐光性を備えた塗材で塗装してあげる必要があります。

塗装方法はどのようなものがありますか?

建築用塗料は、ローラー塗り・はけ塗り・エアースプレー塗り・エアレス塗り等(塗り工法)で塗装します。建築用仕上塗材(タイル、リシン)には、吹付工法かローラー工法で塗装します。ローラー塗り・はけ塗りは、正しく技術の習得さえしていれば塗装時の塗材の飛散が少ない為、周りを汚染することがありませんので一般的に塗り替え工事に最適の工法と言われています。)

どんなハケやローラーを使うのですか?

ハケの素材には、主に動物の毛(豚・ヤギ・羊・馬など)が使われています。水性塗料・合成樹脂塗料がよく使われるようになったので、それに適したヤギや白馬の毛を使ったハケがよく見られるようになってきました。昔のハケは筆と同じように「筆おろし」をしてからしばらく使わないと使いやすくなりませんでしたが、最近のハケには優れた加工がされており、筆おろししたばかりでも使いやすいものとなっています。また、ハケのサイズは「号」で表します。号は幅を表し、20号55mm・25号70mm・30号84mmなどと号が大きくなるほど横幅が大きくなっていきます。刷毛は大体昔の単位寸と分に一致した名前になっていて、25号は2寸5分・30号は3寸を意味しています。大きさや形、使用されている素材で名称は変わりますが、ざっと以下の様なものがあります。ローラーの分類は下記のようにその大きさ・毛の種類や長さ・形状によってされています。ローラーは広い面に威力を発揮し、慣れれば刷毛より簡単に早く塗装できるようになります


◎刷毛の分類

平刷毛(またはべた刷毛)主に平で比較的大きい面積に使用。小型のものは鉄扉などの平面の塗装に便利。近年はローラー化が進み、あまり使われなくなっている。
寸胴(ずんどう)刷毛一般的な大型の刷毛
筋違(すじかい)刷毛毛先が45°に曲がっている日本独特の刷毛。角や狭いところ、塗堺を塗装する際に便利。
ペイント刷毛粘りの強い油性塗料やサビ止め塗料を塗装するためのタフでコシの強い刷毛
合成樹脂塗料用刷毛速乾性塗料の美装仕上げに適したコシが強く、バネのしっかりした塗料含みの良い刷毛
ニス刷毛・ラック刷毛昔は主にニス塗用に使用されていた。毛の弾力は低く、塗料含みが良く、刷毛目が立ちにくいため下地を溶かさないように速乾性の塗料を軽く手早く塗装するのに適している。家具建具などの木部仕上げなどの高級な仕事に向き、主に山羊の毛を使用する。
人形刷毛(目地刷毛)もともと人形師が人形に彩色する時に使った物。サッシの狭い隙間や目地の中等を塗る際に使用するのでサッシ刷毛とも呼ばれる。長い柄のついた平筆状の物で筋違刷毛の補助として使われる。
水性刷毛昔は広幅の30号等の刷毛で水性塗料を塗ったが、現在はこのような刷毛を使う所は全てローラーで塗装するのが一般的になったため刷毛は小さな筋違のみとなった。
耐酸用刷毛酸・アルカリ等の薬品を扱う時に使う刷毛で、毛には耐薬品性の良いナイロンを使用。塗装するものを燐酸などで洗うときに使用する。
暖房ラジエーター刷毛壁際に置かれた暖房器具のラジエーターに銀色の塗料を塗る際使用。ラジエーターの放熱板の凹凸を、狭い隙間の間で塗れるよう工夫されている
タール・クレオソート用刷毛コールタールや防腐剤のクレオソートを塗装するのに使う刷毛
ラスター刷毛塗装する前の掃除などに使用する刷毛で、簡単に言えば「ほうき」の役割を持つ。

◎ローラーの直径による分類

レギュラータイプローラー内径38mm
ミドルローラーシャフト外径26mm
ライトタイプローラー内径23mm
スモールローラーシャフト外径15mm

◎ローラーの長さによる分類

レギュラータイプ2インチ~12インチ
ライトタイプ4インチ~9インチ

◎ローラーの毛の長さによる分類(基本的に長毛・中毛・短毛の3種類(他にも毛丈や毛の種類が数多くある)

長毛ローラー毛丈40mm
中毛ローラー毛丈13mm
短毛ローラー毛丈6mm